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言語処理学会第30回年次大会にて委員特別賞を受賞

言語処理学会第30回年次大会にて委員特別賞を受賞

2024/04/03

社会科学高等研究院の角田美穂子教授、法学研究科の竹下啓介教授、得津晶教授、小原隆太郎弁護士(本学卒業生、中村角田松本法律事務所)らが、言語処理学会第30回年次大会にて委員特別賞を受賞

  

角田美穂子教授(左)と竹下啓介教授(右)

角田教授らは「Society5.0に相応しい司法を探る」ことを目標に、東京工業大学情報理工学院の山田寛章助教、徳永健伸教授らと連携しながら、人工知能技術の司法への導入を探って参りました*。

その一環で、判例データベース「判例秘書」を提供する株式会社LIC、本学法学部・法科大学院に在籍中の法曹志望者、法曹有資格者総勢41名の協力を得て、3477件の判決文書(不法行為事件数7978件)から成る「日本語不法行為データセット(Japanese Tort-case Dataset)」を構築し、不法行為の成否とその根拠を出力する「紛争解決結果予測モデル」を開発しました。

その研究成果を、2024年3月11~15日に神戸においてハイブリッド開催された言語処理学会** 第30回年次総会にて発表したところ、研究の「有用性」と「将来性」が評価され、同学会から委員特別賞を頂きました。

委員特別賞は、「新規性」、「有用性」、「将来性」などの観点を審査員が独自に設定し、それらの観点から光る研究業績に授与されるもので、発表論文の4%程度が選定されています。

https://www.anlp.jp/nlp2024/award.html#committee

  

  • 受賞者コメント

角田美穂子(一橋大学社会科学高等研究院・教授)
「文字通り手探りで進めてきた研究ですが、テクノロジーの学会で『有用性』と『将来性』を評価いただけたことは、社会科学に身を置く者としては感無量の一言です。これを励みに、時宜にかなった研究成果を社会に還元できるよう、精進を重ねます。」

山田寛章(東京工業大学情報理工学院・助教)
「これまでの我々の取り組みに対して、自然言語処理側のコミュニティからも一定の評価を得られたことは大きな成果だと考えております。これも皆様と共同して学際的研究を進められたからこその成果であり、厚く御礼申し上げます。」

  

*JST戦略的創造研究推進事業RISTEXの助成を受けて実施してきた「法制度と人工知能」(JPMJRX19H3、2020年1月~2023年12月)の成果の一部。なお、本研究は、山田寛章氏が実施しているJST戦略的創造研究推進事業ACT-X「民事紛争の説明可能な紛争解決予測モデル」(JPM-JAX20AM)と連携して進められた。

**言語処理学会(The Association for Natural Language Processing)は、は,わが国の言語処理の研究成果発表の場として,また国際的な研究交流の場として,1994年4月1日に設立された学会です。原則年4回の会誌「自然言語処理」の発行,年1回の言語処学会年次大会の開催を通じて,この分野の学問の発展,応用技術の発展と普及,国際的なレベルでの研究者・技術者・ユーザ相互間のコミュニケーションと人材の育成をはかる機関とすべく活動しています。(言語処理学会HPより)